2012年8月23日木曜日

The Beach Boys - Holland



別に誰に祝ってくれと言っている訳ではありませんが、
昨日は僕の21回目の誕生日でした。

藤子F不二雄ミュージアムに連れてってもらい、
夏休みのちびっ子たちに混じってはしゃいできました。

そしていつものごとく自分へのお祝いに、1枚レコードを買ってきました。


The Beach Boys - Holland

1973年作。1966年後半「Good Vibration」の世界的ヒット以降、ビーチボーイズは長い売り上げ不振が続く。そして1967年、リーダーであるブライアンが未完の名盤「Smile」の制作に没頭している間に世界の音楽シーンは目まぐるしい変化を遂げる。ビートルズが「Sgt」を発表したのを皮切りに、ドアーズの1stが全米でトップに、その夏モントレーにて超新星ジミ・ヘンドリックスは「サーフィンミュージックは終わった」とステージで宣言した。ブライアンが緻密に作り上げたシンフォニックな新しいロックサウンドは1年で過去の産物と化す。その出来事が彼に大きな精神的ダメージを与えたであろう事は想像に難くない。結局「Smile」の制作を放棄してしまう。

その後、ビーチボーイズは良質な最先端のロックアルバムを何枚も制作するが、彼らの持つサーフィン、ホットロッド、健康的で時代遅れなイメージはぬぐい去れず、売り上げ的には長い低迷期を迎える。度重なるメンバーの不和、脱退。ブライアンのドラッグ、アルコール癖は深刻化していく。

そして1972年。当時バンドのマネージメント面で大きな力を持っていた広報ジャック・ライリーはこの状況を危惧し、新たな環境で音楽作り専念できるようメンバーに対して、以前ツアーで出向いた際に気に入ったオランダへ家族ぐるみでの移住を提案。(しかしこのもっともらしい移住理由はあくまで立て前であり、ライリーの移住願望の本心は、手軽にマリファナが手に入り、尚かつ、お気に入りのテレビ番組の再放送がオランダで放映されていたから、という逸話も某雑誌で読んだのだが、真相はいかほど)

そんなこんなで半ば強引にメンバーを移住させ制作したのがこの一枚である。

僕はブライアンとヴァン・ダイクの共作である本アルバム1曲目の「Sail On, Sailor 」を先日の来日公演で初めて聴いて以来お気に入りです。この曲が「Smiley Smile」以降のビーチボーイズを探求するきっかけになりました。

本作の最も特異な点、ボーナスとして加えられたEP、ブライアンによるおとぎ話『ヴァーノン山と小道』が付属するところ…ということなのですが、僕の個体にはリイシューのためか、はたまたその内容のクソさに前の持ち主が叩き割ってしまったためか付属していませんでした。

さて肝心の売り上げは全米37位とまずまずでありました。しかし渡蘭に莫大な経費をつぎ込み、また男性スタッフとの性的関係が発露したライリーはこのアルバムを最後に解雇される事となります。

しかし何はともあれ、70sビーチボーイズのアダルトな(AOR的とでも言うのか)雰囲気が楽しめる良質な1枚でありました。

岡田



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